御室

仁和寺の八十八ヶ所をお参りしてきた。

友の訃報からまだ立ち直れない。

抜けるよう青空が友との思い出と重なった。晴れの日も、雨の日も一緒に歩いた。爽やかな風が吹くと二人で一緒に歩いている気がした。

お砂踏みの札所を巡る、手を合わせる、ご真言を唱える。

お堂の中の観音様を拝見する。

面長なお顔だちの仏様を見ると彼女に見えて涙がでてくる。

手を合わせながら病気の苦しみから解放された事に気づき、今は穏やかになったねと話しかける。

お堂の前で手を合わす度に話しかける。彼女か仏様か誰にだろう。そのうち彼女とまた会えますようにと祈っている。

少し心が解れた気がした。

歩いているときにウォーキングの仲間と出会った。お参りを終えた時、私を待っていてくれた仲間がいた。自分が生かされている事に気づいた。

これからも彼女の事を思い、声を掛けてくれる友を思い、私らしく生きて行かなければと思わされた。