ちょっと力作

以前友人の誕生日プレゼントに歌集を作って贈ったことがあった。
短歌をたのしむ人たちで、とても素敵な歌を詠んでおられる。
その友人から「あとりえ・きたっぷ」(去年、私が自分の工房として名付けた)に仕事のオファーが来た。

「亡くなられたお仲間のお歌を本にして欲しい。一周忌はなにかとお忙しいだろうから、その時期を避けて彼女の誕生日が5月なのでその時に、お参りかたがたお供えしたい。4月中に出来ればいいので・・」

依頼を受けて、ちょっとワクワク。ちょっとドキドキ。
亡くなられたお友達というのはかなりの有名人。
私にはお噂は伺うことがあっても、雲の上の人。


友人から河井須也子さんの追悼集や河井寛次郎記念館で収録されたCDを貸してもらった。

 ジェスカ・グランペール
このグループがお気に入りだったそうだ。

 揮毫は河井須也子さん

追悼集には多くの方の追悼文や河井さんのお歌も載っていた。
CDは河井さんがタイトルを「千年の戀」と付けられた時のエピソードも聞かせてもらった。
とても魅力的な女性でいらしたことは容易に想像できた。

本になるお歌は以前に頂戴した本にある。
それと加えて、両殿下のおいでになった時のお歌が数首。
亡くなられてから娘さんが見つけられた、辞世と思われるお歌。
あと、数枚の写真。

辞世のお歌
自筆を預からせていただきました。
何をしても一流の人っているのだと思いました。


本の形態は「和綴じ本・巻帙付き」
この本を作っている間、実に楽しい時間でした。
友人と打ち合わせで会うたびに河井さんのお話を聞かせて戴きました。
「製作者として、河井さんの所ご一緒なさいませんか」と誘われた。
「作らせていただいただけで、楽しい作業でした」とお礼申し上げて・・


ちょっとだけ私の出番

私の小さなアトリエの大きな仕事は納品を明日に控えて終了しました。