十数年ぶりの桜

娘が思いっきり京都の桜を見たいと帰ってきた。
日本を離れて12年、東京に戻って3年。
桜の季節に京都にいることがなかったからだ。

帰って来たその日に「府庁の桜」「御所の桜」と散策に出かけた。

翌日、夫の思わぬ休暇ができた。
家族でどこに出かけるか、ひと騒動のあと義父と私の希望が通って姫路に出かけることになった。

「三ツ山大祭」姫路の播磨国総社の20年に一度のお祭り。
新聞やテレビで紹介され、初めて聞くお祭りに大きな置き山が出ると知った。
大きさは18m、直径は10m 色とりどりの布で覆われているような写真に心ひかれた。
しかも今年は22回目だという。

「20年に1度だって。次の時は見れないかもしれないねぇ」

姫路までは順調に2時間余りでついた。

まずは腹ごしらえ、食堂を出て駅前のメイン通りに出ると楽団の音楽が聞こえる。
パレードにでくわした。

神幸祭
姫路の広いメインストリートの1車線がパレード用になっていた。
神官、神輿、巫女、そのほか神事に参加する人の長い列が続いた。
ここでちょっとビックリ!
信号機が赤になれば行列は止まるのだ。
歩行者が渡るまで行列はストップ。長閑なお祭りだと思った。

神社に入ると三ツ山が見えた。
鳥居を越える大きさにビックリ。
3つの山にはそのてっぺんに神様にお越しいただく山上殿がある。
夫々の山は夫々の神様をお迎えするそうだ。

「二色山」
播磨の神々をお迎えする。
仁田四郎忠常の猪退治のお話が飾り物になっていた。

「五色山」
地の神様をお迎えする。
飾り物は大江山の鬼退治。

「小袖山」
全国の神様をお迎えする。
飾り物は田原藤太のムカデ退治。
テレビを見て心ひかれた山である。
写真ではどのようになっているのか気になって仕方なかった。

百聞は一見にしかず
本物の着物が何百枚も使われていた。

一番目立ったのは打ち掛け
美しい打ち掛けが使われていた。
八百万の神様の為に八百万の着物が使われているのかしら?なんて感心して見上げた。

多くの神様をお迎えし、お供えをしてお祓いをし、人々の幸せを願う。
500年近く続けられた祈りの場に参加できた。

どこか懐かしく、温かい雰囲気のお祭りに心洗われる気がした。

私たちの行った日は「中の日大祭」の日で、姫路城の三の丸広場が御旅所。
広い広い御旅所で五種神事が奉納された。
五種神事とは「競馬・きそいうま」「一つ物・ひとつもの」「神子渡・みこわたり」「弓鉾指・ゆみほこさし」「流鏑馬・やぶさめ」
すべての神事が1日で奉納されるのは珍しいらしい。

姫路城はお城の観光客とお祭りの客で平日と言うのに大変な人。

でもこの見事な桜
ピンク色の雲に浮かぶお城のよう


日本人でよかった1日でした。

娘は6日間の里帰りを毎日のように桜を見て回りました。
半分は付き合った母でした。
夏が過ぎればまた日本を離れます。