ちょっとウルウル

本棚の整理をしていて、色の変わった封筒が出てきた。
見覚えがある。
中身の推測もつく。
こんなところに入ってたんだ。
何度かの転居を経験したから、この封筒も何度か段ボールの中に入ったはずだ。
本の間に入っていたから見つからなかったのか。
とにかく、私の前に姿を現してくれた。

2児の母になった娘が2,3歳の頃に作ったリュックサックのアップリケの型紙。
二人の子供が使い続けて、お役目を終えたリュックだった。

便せんに作り方を写している。
フエルトの色の指示や型紙の枚数、作る手順も。

お母さんゾウの型紙。
トレシングペーパーで写してたんだ。


飾りになる子供のゾウ。

当時「ベビーエイジ」という育児雑誌があって、その中に載っていたリュックが可愛くて作ろうと思い立った。新米母さんのねじり鉢巻きの働きでした。

作り方を読んで記憶とはいい加減だなと思いながらも、当時の材料などを思い返してみた。

今でも作れる!!

娘にこの事を話すと「孫3号に作って」との返事。

布地やフェルト、付属品を買い揃え、作業開始。

布を裁断して、アップリケをする。ここまでは順調。
ミシンもそこそこの働きをしていたのだが、突如動きが止まってしまった。

「なんで?」
夫曰く「モーターがあかんようやで」
「そんなぁ」
ここまで来て、断念はしたくない!

ならばと、手縫いで縫い続けることにした。
袋布はシーチングだし、薄手の木綿だから何とか、ゆっくりゆっくり針を進めることが出来た。

リュックがその姿を現すにつれて、40年前のことが次々と浮かんでくる。
若いお母さんだった頃の自分と、毎日向き合うことになった。
そして否応なく歳をとったことも思い知らされた。
振り返れば幸せに過ごした方かな。
多少の波風もあったけれど、結果オーライ!今は幸せである。


復古版のリュックと新作の二つのリュックは孫の背中でゆれて帰っていきました。