ミラー刺繍のワークショップ

インドのミラー刺繍のワークショップに参加しました。
民族博物館「インド刺繍布のきらめき」と言う特別展が開催されています。
インド西部、パキスタンとの国境近くカッチ地方の女性たちがわずかな時間を積み重ねて気の遠くなるような美しい刺繍の衣装を作ります。
一堂に集められたコレクションは自分たちのために精魂こめて作った衣服をわずかなお金のために手放さなければならない現実も見せています。
1本の針で刺しゅうを施し、わずかな糸も布も無駄にせず子供のために、娘にために、動物のために、家族のために作られた衣装はどれも感銘を受けます。
写真は写せなかったのですが、ちょっとお借りしてきました。

ワークショップで花嫁の衣裳を試着させていただきました。
びっしり埋め尽くされた刺繍ですが、重たくもありませんしごわごわもしていません。
とても着心地の良いものでした。
上着は前面はきらびやかですが、背面は色とりどりのひもで結ぶだけ。
上着を着たりストールをまとうことで装うのだそうです。
男性に顔を見せない習慣はいまも守られていて、女性は常にベールをかぶっていて、男性は近づいた女性に「ここにいるよ」と存在を知らせるために咳払いをするそうです。
女性もブレスレットやアンクレットをつけることで音を出して存在を知らせるのだそうです。
女性は男性が近付くとベールを深くかぶって顔を見えないようにするそうです。
でも、そのベールを試着した人の感想は、周りはとても良く見えますということでした。
織りの粗さが外からの視線は遮るけれども、内からの視線は妨げないようです。
暮らしぶりのお話も、気候風土の違いも、私たちとは大きく隔たれていますが1本の針で1目1目差し進む行為は同じものです。
3時間のワークショップがあっという間に済んでしまいました。
ちょっと病みつきになりそうです。