今年も奈良へ

この時期になると必ず奈良に行きたくなる。
今年も「正倉院展」に行ってきた。
今回人気を集めていたのは「金銀鈿荘唐太刀・きんぎんでんそうからたち」である。
唐太刀は中国からの舶載品。
唐様太刀は唐太刀に似せて国内で作った太刀だそうだ。
私のお目当ては伎楽面。
今回「酔胡王」と「金剛」と「太孤父」の3面を見ることができた。
覚えた事。
伎楽面は23面で1セットだと言う事。
髪を結い、怒った顔をしていて、口を開けているのが「力士」口を閉じているのが「金剛」
私の好きな伎楽面は「迦楼羅」である。

折角の奈良である。
半日は散策にあてている。
今回は新薬師寺を目指した。
薬師寺の少し手前の不空院と言うお寺で「特別公開本日が最後です」と声をかけられた。
こういう時、なぜか「これはご縁だ」と思う。
寄り道をする。
このお寺は鑑真和上が住んでいたらしい。
また、弘法大使が興福寺の南円堂のひな形として八角円堂を建てたところでもあるそうだ。(今は何も残っていないが・・)
不空絹索観音がご本尊、それと弁財天如を見せていただいた。
ここの弁財天、手が8本、それぞれの手に武器を持っていて頭にはとぐろを巻いた蛇の体に白髪の爺と言うお姿。
女性の難を救ってくださるのだそうだ。(しっかり手を合わせてきました)

不空院で解説をして下さったボランティアさんから「頭塔」も特別公開しているから帰る前に寄ってごらんと勧められた。

「頭塔」
以前NHKでみた、奈良のピラミッドである。
これもまた「ご縁」と言う事だろう。
薬師寺には申し訳ないが手早く拝観を済ませて「頭塔」に足をのばした。

「頭塔」
古文書の記録では東大寺の僧が767年に作ったと記されているらしい。
土の塔「どとう」からの変化か、伝説による僧玄ぼうの頭を埋葬した頭の塔「ずとう」からかは推測の域だそうだ。

瓦屋根の下には如来像がある
石に彫られた如来像は奈良時代後期の珍しいものだそうだ。
石像の2つが郡山城の石垣に転用されているそうだ。
それもまた歴史の一こまだと思った。


奇数段に仏像があり、偶数段はない。
もしかすると偶数段は回廊のようになっていたのかもしれないと言うお話だった。

復元整備された「頭塔」はとても印象的な遺跡だった。

行く度に、発見と出会いのある町、奈良。

今月はもう1度奈良へ行く。
今度は「高松塚古墳壁画の修復作業」の見学が出来る。
今から楽しみだ。