山門水源の森

最近のウォーキングはスタッフのお仕事続きだったので、素直にウォーキングを楽しみたかったので「サギソウとハッチョウトンボの湿原を訪ねる」のコピーに心惹かれて申し込みました。
山門水源の森って?
滋賀県の琵琶湖の最北端にありました。
近江塩津の駅から約5キロのところ


山門水源の森・森の楽舎に到着

山に入る前に靴底を洗いました。
自然保護のためですね。
50名余の参加者を4つに班分け、ガイドさんの先導のもと山に入りました。
ここはもともとは炭焼きがなされていた山だったとか。
太古の時代の大きな断層活動によって湿原の生まれる条件が整い、できた湿原だそうです。
初めて聞くお話ばかりだったので覚えきれなかったのですが、炭焼きが産業として成り立たなくなって、山は放置され荒れるに任され、時代の流れでゴルフ場の開発計画が起こり、貴重な自然を残すべく滋賀県の県有林となり、研究・調査・保全の取り組みがなされ、今私たちに公開されています。
コースマップ(尾根道と沢道がありました)にそって尾根道を歩きました。
歩き始めて目についたのは

なに?
職員の方も何だろう?毛虫ですね、とのこと。
帰って調べたらルリタテハの幼虫でした。



炭焼き窯の跡です。
屋根を再現して当時の姿を忍ばせてくれます。
炭焼きの山は炭を焼くために山が一区画坊主になります。それが順番に動いていく。
更地になってしまった山はどうなるのか?山はどのように回復していくのか?
自然とはどのようにして変化していくのかを調査されているそうです。
長い時間のかかる作業です。


ここの地層は花崗岩でむき出しになった地肌は風化しやすいのだそうです。
この土は雨に流され、堆積し、湿原を蔽い、いつかは湿原もなくなってしまうそうです。

人の手てどれ程保全がされるのか?

柵で囲われた向かって左の方が湿原。

右は沢に貯水池を掘って土砂を沈殿させて水だけを沢に流れるように工夫をして湿原を再生させる実験がされています。
上からではただの草地のように見えますが、歩くとズブズブとぬかるんでいるそうです。
それでも土石が流れて堆積する方が多いので、人の手でどれ程の回復が出来るかは疑問だそうです。

山の生態系は、動物の被害によっても変わるそうです。
この山には1キロ四方に2,30頭の鹿がいるそうです。
それは基準的は数値の10数倍で結果、木の皮、新芽、若葉、果実などなど食べつくされて木の生育を妨げるのだそうです。

鹿の捕獲用の網です。
鹿を生け捕りにして発信器を付けて行動を調べて対策を立てる。
それも気の長い根気のいる作業だそうです。



総見山の向こうは敦賀

深い木立に囲まれて湿原はあります。
ヒメミクリ(栗のような形をしています)
サギソウ
オオシオカラトンボの産卵
オオスギゴケ
ヒツジグサ(未の刻に咲くからヒツジグサ

季節を変えて訪れたいところでした。